生産者が語る安全で健康な牛づくり

伊藤 浩市さん

(有)肉牛工房ゆうあいファーム 北海道湧別町

試行錯誤の連続。それだけ奥が深くて、楽しい仕事です。

ito-01住んだ青空、そして海風。小高い山々に見守られるように、伊藤さんご一家が営む「肉牛工房ゆうあいファーム」の牛舎と牧草地がゆったりと広がっている。

朝6時、夜明け前から牛舎を見守る伊藤さん。「1頭1頭、その日の調子はすぐわかります」。

現在育てているのは、ホルスタインを中心に約1350頭牛の体調に合わせて牧草を調整したり、牛舎を移動させたり、作業は臨機応変に変わる。日々、試行錯誤の連続。「だからこそ奥が深くて、楽しい」。

すべてを終えるのは、夜7時を過ぎる。冬は氷点下20度、目を開けられないほどのブリザードに見舞われることもある。「べー、べー、べ」と話しかける牛への愛着が、すべての苦労を超えるエネルギーになっているのだろう。

全ては、安全・安心な肉づくりのために。

ito-02健康な牛を育てるためには、安全性が高く、良質な飼料は欠かせない。チクレンの指定農場では、遺伝子組み換えを防ぐため分別したとうもろこしを使った配合肥料を与え、成長ホルモン剤や肥育期間中の抗生物質は使用していない。

さらに伊藤さんは「世界的に穀物の確保が難しくなっている時代、飼料原料の自給率を上げて安全性を高めたい」と、近隣農家と連携して飼料用とうもろこしの生産にも取り組み始めた。

夏期と冬期の寒暖差は、40~60度にもなる大自然の中、換気や防寒をはじめ牛がストレスなく過ごせる環境づくりに毎日細やかに気を遣う。「どんな作業も、私にとっては生まれた時からの生活の一部ですから」と、おだやかに話す。

全ては、みなさんに安心して食べていただくため。仕事への責任感が、常に新たな挑戦へと駆り立てている。

「おいしい!」その一言が、何よりうれしい。

清水 勉さん

清水牧場 北海道足寄郡足寄町

毎日が、努力の積み重ね。
無事に出荷するときの達成感は、格別です。

shimizu-01私は、生後1週間ほどの子牛から育てています。順調に育つかどうかは、ほぼ生後半年までで決まります。哺育生産者が育てた素牛を譲り受けることもできますが、私はミルクや粗飼料の与え方などを工夫して子牛から育ててみたいと思ったのです。

子牛は、とてもデリケートで風邪もひきやすく、環境管理には特に気を遣います。ワクチン接種などもあり手間と時間はかかりますが、健康に育てて無事に送り出すときは、格別な達成感ですね。

shimizu-02牛が喜ぶものを食べさせていれば、牛肉を食べてくださる方も喜んでくれるだろうと信じているからです。牧草も自分たちで育てています。天候にも左右され、毎日が努力の積み重ね。この仕事をする限り、永遠につづくことですね。それでも好きなので頑張れます。

shimizu-03